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6/20/2016

自分を見つめる旅 Newstrelitz (2)

今回は前の旅の日記の続きを書き留めておこうと思います。ノイシュトレーリッツはドイツ北西部メクレンブルク=ホワポンメルン州にある町で、ベルリンから北に約120km、(ローカル線の電車で1時間15分)のところに位置します。
沢山の湖が見られるノイシュトレーリッツ。

メクレンブルク湖水地方は約12000年前に氷河期最後の雪解け水によってこのような地形に形成されたそうです。
巨大な森、ミューリッツナショナルパークで湖のほとりを歩きながらそんな話を聞いていると頭の中に巨大な氷河が溶けて流れ込む様子が目に浮かび、感慨に浸りながらさらにさらに森の奥へと進んでいきました。
今朝は鳥のさえずり声と日の出と共に目を覚ましました。着替えを済ませた頃にちょうどファルクも部屋をノックしてくれました。まだ日中との気温差激しいドイツ。寝る前にファルクが準備しててくれていた薪ストーブのおかげで凍えずに熟睡できたはずなのですが…。実は旅の初っ端から大変なアクシデントに見舞われたのでした。
昨夜、夕食を済ませたあとファルクが私の部屋の出窓に喉が渇いたら飲めるようにと気を利かせてハーブティーの入ったティーポットを置いてくれていました。薪ストーブの火が勢いよく燃えて彼が言ったとおり、深夜には部屋がサウナ状態に。暑さに耐えきれず目を覚ました私は暗い部屋の中、月明かりがぼんやり照らす白い窓枠を頼りに手探りで見つけたレバーを引き、ずっしり重い窓を少し開けました。冷たい風がすうっと隙間から流れ込んで部屋は丁度良い温度に、私はまた深い眠りにつきました。その時いきなり側でガシャーンと陶器の割れる音がしてハッと目を覚ました。私はそれが何かという事にすぐ気が付きました。強い風が吹き込んできた瞬間、窓が押されて大きく開きティーポットが落ちて割れてしまったのです。間違いなく3世代は大切に使ってきたであろう古く美しいデザインが描かれたティーポットは悲惨な姿に、そしてまだおろしたてのカーペットにハーブティーが染み込んでしまいました。ファルクのお母さんの思い出がいっぱい詰まったティーポットを壊してしまった。ああ、時間を戻せたらいいのに...。とっさにテーブルの上に置いていた明らかに小さすぎるハンカチを染みに押し当て、壊れた破片を1つ1つ片付けながら次にどうすれば良いか考えていました。
薪ストーブのあるベッドルーム。
薪ストーブの炎は落ち、ほのかな温もりが部屋に残りベッドもカラッとふかふかで快適なはずなのにこの惨事のためにその後は全く眠りにつくことができませんでした。そして翌朝起きてから泉の湧き水を飲むまで口を開いてはいけないという約束事をすっかり忘れてしまっていた私は、おはようと言っても無反応なファルクに昨日の出来事がリンクしているのだと一方的に思い込んでかなり落ち込んでいました。周りの清々しい空気と木々の隙間に明るく差し込む朝日とは対照的に暗く沈んだ気分ままファルクの背中を追いました。森に入る途中でふと昨日の約束を思い出したのです。
どれぐらい歩き続けたでしょう。時計も携帯も持ち歩かない、暗黙のルールは了承済みです。ただ太陽の傾き加減と風の方角だけを頼りに巨大な森を歩き続ける彼は博識多才でとても同じ歳だとは思えません。「彼は話し出すと止まらないことがあるのよね。」と彼の母が話してたことを思い出し思わず笑顔になりました。日本を歩いて縦断し東海道を通って京都に辿りついた。と山で出会った時に聞いて彼はただ者ではなさそうだと思ったけれど、さすがに今回も私達が次に向かう方角を何の迷いも無く指し示す彼の指が私には彼はただ者ではないと語っているようにすら思えました。
ふと空を見上げると、太陽はまだ真上ではないことから正午より早い時間だということだけは私にもわかります。
朝に洗った長い髪もすっかり乾いて来た頃、やっと泉に辿り着きました。黒い土と湿った草の隙間からキラキラと湧き出る泉。ぬかるみを避けながら泉の傍に側まで歩み寄り屈んで両手いっぱいに掬いあげた湧き水を一口ふた口飲みました。それは冷たく、そして枯葉などの有機物を沢山含んだ湿地特有の土の味がしました。決して美味しい水とは言えませんがこの味は私にとっての唯一無二の忘れられない味になったのです。
一言目に口を開いたファルクは言いました。「喋りすぎだよ!笑」
忘れてた!ゴメン。笑い声は広い森に響き、水の流れる音と木々の犇めきあう音と共に穏やかに消えていきました。

森を歩いていると、所々に明らかに人工的に木で組まれた台があります。それは猟師の為の見張り台だとか。獲物の行方を観察する台だそうですね。そしてその近くに建てられた丸太の先を指して「これ何の味がすると思う?」とファルクは木の先を触ると指を舐めて見せました。私も真似して舐めてみたところ木を止めていた釘の錆びた鉄の味が鼻からツンと抜けました。「何これーっ!不味い。鉄!!」ハーブや蜜のフレーバーなんかを想像していた私は予想外の味に顔を歪めて叫んでしまいました。ファルクと一緒に味見する物っていつも変わった味がするような気が…(苦笑)「ああそうかい、まあ鉄の味もするけどね。笑」それは動物を誘き寄せる為に塩の塊を置く台のついた丸太だったのです。そう、この森は沢山動物がいるのですね。土の上には動物たちの毛や足跡が付いていてそこからファルクは動物たちがいた時の状況をいくつかの条件から推測して説明してくれました。「この両足跡の距離と体重のかかっている位置と足の爪の開き具合からして速く走ったことが判る。しかもこの足跡とこっちは違うね。これも違う。鹿の群れで何かから逃げたようだね。そして、あっちの木の下は安全な場所。あそこで止まってるね。」ファルクの話にのめり込むように聞きいっているとまた、私の頭の中に沢山の鹿の群れが目の前を走っているイメージが出来上がりました。他にも樹液を集めて天然ゴムを採取した頃の傷跡が木に残っていたり、1945年以前かつてのロシア赤軍がこの森で演習をしていた頃の戦車の通り道や停車場も当時のままの姿を残していました。そして木材になる木の種類もとても豊富でビーチやバーチ、ホワイトウッドやオークなどを身近に見ることができました。時々立ち止まって白い古い木の皮を剥いでポケットに詰めているファルク。何に使うのかと訊ねたところ、この木材が薪ストーブの火を最初に起こすときには1番最適だとか。さらに歩き続けましたが、森の中は陰が多くたまに冷たい風が吹くので薄着だった私の身体は徐々に冷えて来ました。寒いのかい?ファルクは道を逸れると徐ろにすすきの穂を摘み始め、集めた穂の束を私に差し出しました。そうです、私の予想した通りこれを背中とお腹に入れておけと。いい毛布代わりになるよね?と言わんばかりにファルクは微笑を浮かべ、また歩き続けました。すすきの穂は細かい屑が散らばり、硬い茎の部分がチクチクと肌に当たるので決して快適とは言えません。でも何も無いよりはマシだしこのまま寒さに耐え続ける訳にもいかないと彼のアイディアを肯定するよう自分を納得させて青いソフトシェルと肌着の隙間に乱雑にそれを詰め込みました。そしていつも通り振り返りもしない、待ってもくれない彼の後を追いました。着ぐるみを着ているかのように膨らんだおなかで。かなり不恰好な容姿のまま小走りで。その姿はまるでドラえもんです。こんな姿、見たらみんな笑うだろうな…。でも幸いここには誰も居ません。
そう、仮に大自然の中の社会に必要最小限の物だけで生きていかなければいけないとすれば、私は何を本当に必要とするのでしょう。考えてみるととても深く面白いのです。必要性の高いものの優先順位の位置付けとして"華美な装飾"例えばメイクアップなどはかなり優先順位の低い、もしくは不必要に等しいのではないかと思いました。一般に言えば子孫繁栄の為に雄を魅了する目的?それ以外にここでは必要では無いのかもしれませんね。いや、でも雄を魅了するのに着飾ることは自然界では通用しないのかもしれません。飾られた美は雨や風、自然界の中では一瞬にして消えてしまうもの。動物の中の人間として異性を魅了する為のものにはそういう飾られた美は必要なく知識や人間性、優しさや思いやり裸の自分になった時であっても無くならないものである必要があり、生まれ持った美しさや個性を受け容れてくれる相手が自然にパートナーとして成立するのかもしれないと思いました。でも実際私たちは森の中で生活している訳ではなく、モノに溢れた現代社会に属しているので少し話が違うとは思いますが。しかし日常社会に戻ってもきっとベースは同じであるべきなんでしょうね。そこにプラスαメイクアップやファッションで自分のカラー、香り、個性をアピールするのは悪く無いと思います。もちろん人それぞれ、意見は異なると思いますが。でも少なくとも私はこの数日しばらく日常社会から離れ周りからの情報、SNSを断ち、自然と向き合って過ごしてみた中で幾つか大切なことを再確認できた気がしました。

そして午後になり、私達が森の中から広い草原に出たときには二羽の野生のツルが華麗に舞う姿をも見る事が出来ました。暫く立ち止まり双眼鏡を開いた私達は静かに息を潜めて彼らの姿を観察しました。 細く長い脚の美しい二羽の鶴はエレガントで美しくいつまでも眺めていたいと思うほどでした。
この深い森には長い歴史と共に育まれてきた人々の知恵や貴重な自然の産物、野生動物の住処が残されている国立公園として沢山の自然愛好家に親しまれ続けているのです。
小屋に戻ったあと、ファルクは前日に作ったというミルクのスープを温めてくれました。なんかもうチーズっぽくなってるね、と笑いながら。お決まりのライ麦パンに始まってハーブ入りファーマーズチーズをはじめとする数種類のチーズ、リンゴとブドウ。シンプルでも温かい食事にイースターホリデーの沢山の美味しいチョコやナッツなどのお菓子を大人の私だけのために隠してくれるなど心憎い演出まで。彼の心のこもったホスピタリティに再び感動させられました。
鳥の図鑑と双眼鏡を片手に、森の木々の声、自然に残る歴史や動物たちの足取りを辿るこの旅で美しいものに出逢い、普段気付かなかったことについて改めて考えたり自分を見直すことが出来たことは何よりの収穫だったと思います。

Thank you so much! Peter, Johanna , and Falk. 

5/17/2016

A Jewelry Box floating in the night sky( EN)

A Jewelry Box floating in the night sky



Close your eyes, and you will feel something similar to the sound of silence.

It allows your five senses to wake up. I'm in a deep forest, in Germany.

During the times of Former East Germany (also known as GDR), there was a period when entering the Mülitz National Park was strictly prohibited to the public. Because of this, the plant and animal life of the forest remained undisturbed for years.

Rare plants and trees that can only be seen at beech virgin forests along with several bird species and wild animals inhabit the forest.

Species like the endangered white-tailed eagle known as Osprey, common cranes, black storks, red deer, Eurasian Bittern, pigs and woodpeckers live in the woods.

I take several deep breaths. The clear and fresh air makes me forget the fatigue caused by the long train journey that brought me here. It smells of wood, fallen leafs and soil. An animal was there recently.

Mülitz national park was founded in 1990 over 318 ㎢ of land (The same size as six Tokyo Domes!), in Mecklenburg-Vorpommern. In total, there are 100 lakes and countless bodies of water in the park. I felt that if I go deep inside the forest alone I could easily get lost. This forest is huge.



Now it must be the time when cherry blossoms are catching people's attention in Japan. In Germany, we are in the middle of the Easter holiday.

Last time I saw my friend Falk was August.  Now he looks like he has lost some weight. I don't know if it's just my imagination, but he really looks different. Germany is facing a serious immigration problem nowadays. His way of seeing all this is very patriotic, maybe even going further than most people do. He must be mentally tired, so I decided to ask him about it.

I got the feeling that everyone reacts more sensitively about this subject recently. They can't hide their irritation, making it hard for them to face reality.

They don't know ho should they blame for, what leads them to hurt people that has nothing to do with all this. It's like a vicious circle from where they can't escape easily. Since we didn't met for a long time, I thought that the best was to stop talking about it. I still think that we shouldn't ignore reality.

We arrived to a town called Neustrelitz. Neu means New. The name Strelitz is a derivation from Polabian (the language spoken by the ethnic Slavic people that came from the Baltic Sea, at the Elbe River basin of northern Germany). Strelci means Shooter.

Long time ago, around 1278, this place was a small village called Strelitz. Over the centuries it became bigger, so the town of Neustrelitz was built next to Zierk lakeIt, becoming the official capital city of Mecklenburg-Strelitz in 1736.
Mülitz National Park

A bright and elegant orange blossom is the symbol of the city. The palace that used to be on the small hill was destroyed in 1945, but the beautiful garden still remains. A Neo-Gothich church along with a statue of a pricess that died when she as young and several tombs are located by the lake. This place is full of historical aspects.

Falk took me to what he said to be the best ice cream shop in town, located in the center of the town's square, and from the castle ruins we moved on through a street that was radially divided. We walked for about eight kilometers while talking about the town of Neustrelitz.

I wear the cobalt blue rucksack that I've been using almost everyday during the last seven years along with my favorite lace up shoes, which I bought years ago. They are pretty comfortable. I filled the rucksack with small little souvenirs from Japan, minimum necessary clothes and basic toiletries. Very light and simple journey. He asked his friend to keep my luggage. That was nice of him, otherwise I couldn't have been able to continue walking anymore.

We were heading to the rural village where Falk's uncle used to live, and where he spent vacations during his childhood. The buildings started to disappear as we continued walking, spreading endless grasslands in front of out eyes. Sun was setting very quick. "Shall we walk faster?", he asked.
Beautiful sunset

I was starting to be afraid that we couldn't manage to arrive to the village before night. In that moment I wish I had a headlight, but then I forgot about it since I was not alone. Completely far away from the hustle and bustle of the city, only our footsteps could be heard, endlessly echoing into the forest.

We saw some cattle grazing in the distance. I had a mystical sensation mixed with a huge relieve knowing that I was going to safely reach the town while looking at a beautiful sunset and nature. Expectations for an unknown destination along with tiredness and fear of the dark.

We spotted a goose on the darkness of the grassland. Contrary to the white gooses from Japan, this one was grey and dark. They are cautious with humans, so we couldn't get near it.

I head some birds chanting, so I looked up at the sky. Some clouds were thinly overlapping, making it look like the canvas of a painting. Two black gooses, were crossing the sky, coming from the west and heading to the east. We also spotted some fellows of the grassland goose eating something on the ground. The sky was becoming completely dark. Bats and unknown birds fled along the hazy path in front of us.

"Look! We can see the Cassiopeia constellation"

Looking up the night sky while listening to his voice, I could see thousands of sparkling gems scattered on top of the dark blue carpet floating over us. I never saw anything like that before in my life. So many starts twinkling and sparking.

I can't describe how beautiful it was even using Japanese.

For me, those starts shine much more brightly and attractive than the sparkle of dozens of carat diamonds. I felt like the distance between the sky and me as not so distant.

After walking for awhile, we finally saw the orange lights of the village.

This is my entrance talking about Mülitz National Park. I hope you can also live such an amazing experience when you visit it.

Tomorrow is Easter Sunday. We will go to drink pure water from the fountain that is located deep in the forest, but we are not allowed to talk until we drink the water. If we respect the belief, we will supposedly get beauty for one year! Let's see if it's true.

4/24/2016

夜空に浮かぶ宝石箱 - Newstrelitz -(1)

目を閉じて、耳を澄ませます。
静寂の中に何かを感じ、五感を目覚めさせることができるでしょう。ここはドイツの深い森。かつての旧東ドイツ(GDR)時代にこの現在のミューリッツ国立公園は軍事上一般市民の立ち入りを固く禁止していた時代が続いた事から、現在でも自然環境が保持されていて珍しい植物や樹木、ミサゴアカシアシギ、コウノトリの仲間のナベコウやツルやキツツキなどの鳥類、鹿や豚など野生動物が生息しています。
何度も深呼吸をしたくなるような森の澄んだ空気がさっきまでの長い列車の旅の疲れを忘れさせてくれました。森の匂いは、落ち葉と土の匂いと木の匂い。動物が居た匂い。

およそ32.2ヘクタール(東京ドーム約6個分)の広さを誇るこの国立公園は100以上の湖といくつもの小さな池や沼などがある湿原地帯で1人で入ると帰り道が分からなくなりそうなぐらい巨大な森です。
町から国立公園へ向かう途中。夕暮れ時の空は悲しく美しい。
Way to go to Mülitz National Park.

日本では桜の花がそろそろ見られる頃でしょうか。イースターホリデーにあたるこの週末。半年ぶりぐらいに会うファルクは相変わらず元気そうでしたが、こころもち痩せた感じがします。深刻な移民問題に直面しているドイツ、特に人一倍愛国心の強い彼はきっと精神的に疲れている部分があるに違いないと思って思い切って聞いてみました。やはり市民は些細な出来事に対し普段以上に過敏に反応しがちになり、皆苛立ちを隠しきれないでいる、と。そしてその矛先が全く無関係の者にも被害をもたらす結果を招き、悪循環に陥っている状況だそうです。久々に会うのにそんな暗い話題を持ち出し、一時的に申し訳ない気持ちで一杯になったけれど、この国を知る上でそれが目を背けられない現実だということを忘れてはいけないのですね。さておき、ノイシュトレーリッツとはNeu(新しい)Strelitz(スナイパー)という意味だそうです。昔はStrelitz といったところがあったみたいで後に今のノイシュトレーリッツになったんですね。オレンジの白いエレガントな花が街のシンボルで、1945年に崩壊してしまった城跡と今でも残る湖を臨む美しい城の庭園、幼くして亡くなった王女様の像、ネオゴシック形式で建てられた教会など歴史的名所も沢山ある町です。
ノイシュトレーリッツ町の中心部のイメージ。
中心部の広場にある町で1番のアイスクリーム屋さんへ連れて行ってもらった後、放射線状に分かれた通りを城跡へと辿ります。ノイシュトレーリッツの町についてあれこれと教えてもらいながら目的地の村へと8キロ弱の道のりを歩きはじめました。一年前に買ったほぼ毎日愛用している履き慣れたお気に入りの編み上げの靴と、7年ぐらい使っているいつものコバルトブルーのリュックサックに必要最小限の身の回りのもの、日本からの僅かなお土産だけ詰め込んでの軽装のシンプルな旅。荷物預かってもらって良かったな。危うく歩けなくなる所でした。
ファルクが幼少時代から長期の休みの度に訪れて過ごしたという叔父さんの村を目指します。歩くたび建物が段々と少なくなり、代わりに目の前には果てしない草原が広がってきます。同時にどんどん日が落ち、「もう少しペースを上げよう。」とファルク。暗くなるまでに村に辿りつけるか不安になってきました。ヘッドライト、あれば良かったな。でも1人じゃないから大丈夫か。
街の喧騒からすっかり離れ、周りには誰1人、車1台すら居なくなり、私たちの足音だけが延々と響くだけです。放牧された牛たちが遠くに見え、無事町に来れた安堵感や美しい夕焼け空と自然への感動、まだ見ぬ目的地への期待、少し疲れ気味の身体と暗闇が訪れる不安が入り混じった凄く不思議な感覚を覚えました。そんな夕暮れ時の草原で最初に出会ったのはグースでした。日本の白いガチョウとは少し違ってダークグレーがかった色ですが、人間を警戒しているので近づいて見ることはできません。鳴き声が聴こえてきたので空を見上げれば薄く重なる幾つかの雲の広がる美し過ぎる夕焼け色のキャンバスのような空を黒い二羽のグースが西の方からから東へ横切っていきました。遠くの草原には仲間らしきグースの姿も数羽見られます。
空を行き来するグースたち。
野生のコウモリや見たことの無い小鳥たちにも遭遇しました。そして辺りはすっかりと暗くなり、前にぼんやりと小道が見えるだけです。
「カシオペア座が見えるね。」
その声にふと夜空を見上げると、そこには生まれて初めて見る煌めき瞬く幾千もの宝石たちがひしめき合うように濃紺の夜空のカーペットに散らばっていたのです。それは私の日本語の語彙力だけでは到底表現仕切れないほどの美しい光景でした。星達の輝きは何十カラットなど呼ばれるダイヤモンドの輝きよりもずっともっと明るくて神秘的で、空と自分との距離が物凄く近く感じるという不思議で貴重な体験でした。
しばらく歩き続けると遂に目的の村のオレンジ色の灯が目に入ってきました。

イースターの朝には、森の奥深くから湧き出でる泉の水を飲むという習慣があるそうです。その水を飲むと1年間美しい容姿で居られるという言い伝えがあるんですって。でも、1つ約束事があって泉の水を飲むまで朝から一言も会話を交わしてはいけないというのです。
果たして無事に泉の水を飲んで1年間の美貌を手に入れることができるのでしょうか。

4/20/2016

ノイシュトレーリッツへの電車の旅

普通じゃないから楽しい!

ノイシュトレーリッツはドイツ北西部メクレンブルク=ホワポンメルン州にある町で、ベルリンから北に約120km、(ローカル線の電車で1時間15分)のところに位置します。
この日は730キロの電車の旅
友達のファルクからイースターホリデーの週末は叔父の田舎に招待するよ。母親の別荘があるからね。と連絡をもらった時はちょうどベルギー国境に近いオランダのマーストリヒトに来ていました。二つ返事をしたものの、地図で場所を確認するとドイツを横断してプラハに行くにはてちょっと北に道が逸れる。けれど、湖に囲まれた自然いっぱいのナショナルパークもあるという事だったのでその夜、すでに持っていた土日チケットに加えICEのチケットをネットで買い足して週末はアイントホーフェンからノイシュトレーリッツに立ち寄ることに決めました。
しかし運悪くその時ブリュッセルではあの空港でテロが勃発し、そのせいで交通機関が混乱、ドイツ内の主要都市間を結ぶ高速列車にも大幅の遅れがありました。日本の友達も心配してメッセージをくれました。本当に感激。こんな友達は大切にしたいものですね。
オランダとドイツの国境駅Venloで朝ごはん。
本来なら電車ですぐ着くはずのフィーアゼンからデュイスブルクもこの日は列車がなく、仕方なくバスでデュッセルドルフまで行くという手段を取るしか選択肢がありません。もうこの時点で予約していたICEには間に合わないと確信した瞬間、ふっと力が抜け逆にリラックスモードに。ただファルクとの約束の時間に待ち合わせの駅に行けない事を携帯を使わないファルクに伝えられない事だけが気がかりでしたが、鋭いファルクのことなのできっと大丈夫。そう信じてバスで仲良くなったブレーメン出身の大学生の女の子とあれこれと世間話をしながら2人で駅へ向かいました。
結局彼女のおかげで移動中の不安も吹っ飛び楽しく旅を続けられました。旅は道連れ!トラブルはつきもの!
彼女は地元の大学入試が上手くいかなかったそうで、オランダの大学で勉強してるそう。「子供の頃イースターは庭で宝物探しをよくしたものだわ。
カラフルなイースターエッグ。
チョコや卵を探すのよね。大きくなった今でも、家に帰ると両親は私のために宝物探しを用意してくれるの!(笑)」とはにかみながら話してくれました。日本にはない文化の話題が興味深く、あれこれ話を聞いているとあっという間にデュッセルドルフへ。
ここで2人で乗り遅れて無効になったICEのチケットの返金交渉をするが、私鉄などが絡んでいたため、全額返金は無理との事。仕方なく一本遅いICEでベルリンへ向かう事に。トラブルのおかげで楽しかったわとお互いポジティブに強くハグして彼女と別れました。

ようやくICEで5時間弱、ベルリンに到着又もや30分以上の遅れが。30分余裕があるはずの次のローカル線乗り継ぎまでたったの2分しかないのです。それを逃すと1時間後。もうファルクを2時間も連絡なしで待たせる訳にはいかない!でも私の荷物は23キロ以上。さらに乗り換えのホームは線路を挟んで向かい側。なんでいつもこういうシチュエーションなの!と深く考える余裕も殆どなく、ここは気合いと運に賭けるしかないとドアのボタンを勢いよく押して荷物を抱えて階段を猛ダッシュ。重いとか上がれないとか言ってる場合じゃないんです。普段からある程度体力をつけておいて良かったと思いました(笑)
乗り換えは無事に完了しローカル電車ではすでにぐったり、間違いなく誰よりも疲れきった顔をしてたでしょうね。
同じ車両にはベビーカーを積んだ二組の子供連れの家族が絵本を読んだり歌を歌ったりして電車の旅を楽しんでいました。自転車も乗せてる車両がやっぱりドイツって感じだな。私はこの雰囲気がとても好き!

待ち合わせの駅のホームに降り立った時、1時間遅れにも関わらず、ちゃんとファルクは迎えに来てくれていました。本当にありがとう。
そして日本の鉄道のダイヤの正確さを改めて実感、実際どちらが良いのかは判断できません。働く側、乗客側の見方は違うと思いますしね。でも日本のスタンダードに慣れている私達からするとちょっと戸惑いますね。こちらに来ると毎回"ゆとりをもって行動しなきゃ"、と思います。

4/17/2016

プラハのファーマーズマーケット

Farmářské Tržiště (イジャーク ファーマーズマーケット)


プラハに滞在する際、"現地の食材を使って料理をする"というのが私の楽しみの1つです。以前はスーパーで全部材料を揃えて料理をしていましたが、最近は時々ファーマーズマーケットを訪れて直接生産者から食材を調達するのが楽しいですね。
カラフルで目にも楽しいファーマーズマーケット。

生産者と直接話すことで、どこでどういう風に作られたかなど詳しく教えてもらえますし、安心感があります。日本でも最近は便利な大型スーパーが増える一方で
個人商店が各地から消えて行くという状況、そして本来なら商品を通して生まれるはずであった生産者と消費者のコミュニケーションの場が減少しつつある今、こういった光景は私にとって懐かしくまた新鮮なのです。況してや他国の珍しい野菜やフルーツ、工芸品などとなると余計にワクワクしますよね!ファーマーズマーケットではプラハ郊外から沢山の生産者がトラックに新鮮な商品を積んで直接売りに来ていました。皆自分達の作った商品に絶大な自信を持ってスタンドで販売しています。
フレッシュヨーグルト。味見も沢山させてくれます。
私たちは出来たてヨーグルトのお店に立ち寄りました。質が変化しないように丁寧に瓶詰めされたヨーグルトは200mlで29czk(約150円)。スーパーのものに比べれば少々いいお値段ですが味はお墨付き。1つお店のおじさんは1つずつフレーバーを説明してくれます。天然の蜂蜜が入ったヨーグルトを買って帰りましたが、娘は「コレが本物のヨーグルトの味だね!」と新鮮なヨーグルトに感激していました。

ざっと見た限りでは、パン屋が三軒ほど、ヨーグルト、ミルク、精肉、加工肉店、イタリアンレストラン、沢山の野菜や果物、花や植物の苗、焼き菓子やケーキ、エプロンやテーブルクロス、木工芸品、陶器、パニーニ、ハーブやスパイス、魚、ジャムと蜂蜜など規模はそこまで大きい感じではありませんが、色々なものが揃います。もちろんベンチもありお昼時はランチを求めてお客さんがいっぱい。そんな感じです。私のお気に入りのプラハ2区。素敵なカフェやレストラン、雑貨屋さんが集まったモダンなエリア。この辺りで週に4日開かれているファーマーズマーケットがこちらです。

Jiřák ファーマーズマーケット

トラムを降りて少し北に歩けばすぐに見つかります。
nám. J. z Poděbrad, 130 00 Praha, チェコ共和国

Open: 水曜日〜金曜日 8:00-18:00
           土曜日 8:00-14:00
Close: 日、月、火
トラム10番または16番でVinohradská vodárna下車 北にまっすぐ400mほど歩く。
または地下鉄A線Jiřího z Poděbrad下車すぐ。

2/24/2016

伝統ある京町屋を吹き抜ける和蘭の風

Lisanne Kleinjan 個展 at ANEWAL Gallery 


先日、オランダ出身の友人の個展が出町柳のギャラリーで開催されるということで最終日の日曜日にこちらのAnewal Gallery さんを訪ねました。先日のブログでも少し町屋について触れましたが、今回訪れたこちらのギャラリーもまさにその町屋の造りを活かした上品で落ち着いたギャラリーでした。ANEWAL Gallery



絵画から伝わるリサンネの人柄とは


オランダ、ロッテルダム近郊出身のリサンネは高校時代の日本文化に詳しい教師の影響を受け日本について勉強し始めたと話してくれました。生粋の西洋人という風な外見からは想像もつかないぐらい流暢な日本語を操る透き通った目の彼女は2度目の日本留学で京都に来たのだそうです。同志社大学に通いインターンシップでこちらのギャラリーを通じて通訳の仕事をする傍ら色鉛筆や筆で思い付くままに絵画を何点も描いていたのだそうです。帰国を目前に一年間の作品や思い出を集約した個展が今回の企画でした。しかし趣味で個展が開けるぐらいの才能があるって本当に素晴らしいですね。私がリサンネと出会ったのは、とても優しい心の持ち主である日本人の友人マイちゃんを通じてでした。
マイちゃんと同じく、リサンネも温和な雰囲気で聡明で優しい女性だったのには納得でしたね。類は友を、まさにその通りですね。
トークイベント後のお茶会でゲスト一人ひとりと話すリサンネ。
彼女の色使いは独特です。鮮やかで力強いのに主張しすぎない、不思議な彩の世界です。私が最初に彼女の作品を目にした瞬間のイメージを言葉に表すと、明るいポジティブな雰囲気という表現が適切でしょうか。全体的に丸みを帯びたモチーフからは彼女の柔らかい温かみのある人柄が伝わってきます。絵の力って凄いですね。それに加えて色の力強さからも彼女の強い意志や信念が現れているように捉えられました。
今回のテーマである絵葉!一枚ずつ手に取って見られる展示の工夫は日本人アーティストからの影響だそう。
来場者も参加できる絵巻アート。
リサンネが日本語を覚えるためにイラストを施しビジュアル化した単語カード。

中でも印象的だったモダンで京風なオリエンタルな香りのする作品。


展示会ではリサンネ本人の京都を舞台にしたアートプロジェクトなどのトークイベントがあり、そのあとはオランダのハーブティーを急須で、オランダのお菓子と日本のお菓子が並ぶ「不思議なお茶会」と題された味覚でも楽しめる企画がありました。本当に内容の濃い展示会でした。それもまたこの町家という環境での展示会だったからこそ実現できたのでしょうね。


京都の町家を守り継ぐプロジェクト

庭に臨む離れから。京都らしい雰囲気を楽しめる。

持ち主の高齢化の加速や、柱などの修復に必要な木材が入手し難くなったが故に修繕、維持が困難な状態に陥って止むを得なく取り壊されていく町家の現状を語ってくれた建築環境を勉強されている美人京娘のカンコさん、オーストラリアで仕事を持ちつつ京都は町家にいまでもお住いのカズキさん。
こちらのギャラリーの様々なプロジェクト、展示方法や場所の工夫でアートの見方が180度変わるということ、物を極力買い足さずそこにあるもので建物を創るという物の価値を見直すという建築家の話など多岐にわたって建築、アートの分野でのお話を聞くことが出来ました。

物を大切にするということから生まれる新しい発想や思いがけない出会いやつながり。ものに溢れた日本社会を外からみた価値観の相違など、リサンネの個展を通じて個人的にとても大切な事を色々と学ぶことができました。そして広い京都の中のこの素敵な町家のギャラリーのスタッフの方々との出会いも。リサンネが帰国したあともまたひょっこり訪ねてみたいと思いました。



ANEWAL Gallery アニュアルギャラリー

TEL: 075-431-6469
FAX: 075-950-3240

602-0059  京都市上京区実相院町156
(堀川今出川バス停近く)





2/23/2016

日本古来の香り

京町屋の和菓子屋さん

 Machiya sweets shop in Kyoto

今年に入って何度か京都の町家を訪れる機会がありました。
昔ながらの漆喰の壁に出格子、引戸の玄関に土間や中庭。伝統的な低い家々が軒を連ねる京都の街並みはどの季節に歩いてもそれぞれの趣があり楽しめます。
ちょうどこの寒い時期には、町家の老舗和菓子屋さんで体験できる生菓子作りなんていいですね。
今回、女友達三人で伺ったのは三十三間堂のすぐ向かいにある和菓子屋さん七条甘春堂さんの本店です。

お菓子作りが町家で体験できる。

和菓子作り体験は何度かありますが、こちらのお店の特徴としてはまず京町屋ならではの雰囲気を楽しむ事ができます。玄関先では靴を脱ぎ、二階の間へと古い階段を登っていきます。二階屋外の手洗い場からは屋根が重なった生活感のある中庭の風景が見られます。まるで誰かのお宅にお呼ばれしたかのような感覚ですね。

先生はユーモアたっぷりの熟練菓子職人。

さて、先生の説明があり各自のペースで生菓子を作っていきます。
出来上がった4つのお菓子のうちの一つは、最後にお抹茶を点てさせてもらいその場でいただくことができます。お菓子を作りながら私の友達が先生に質問をしていました。

生菓子の名脇役 「クロモジ」

「先生、この生菓子についてくる楊枝は何故この木なのですか。」
そういえば、生菓子を食べる時に出てくるのはクロモジ。何故なんだろう?見た目も綺麗だからかな。
上品な切り口のクロモジ。

先生はこうおっしゃいました。「香りがね、いいでしょう?」



クロモジの木
クロモジは名前の通り、木の成長過程で皮の部分に黒い斑点ができるそうで、それが文字のように見えたからクロモジなんだとか。
生産地の千葉県の伊豆では楊枝のほかクロモジの精油(エッセンシャルオイル)も沢山採油され、日本を代表する香料の一つとして石鹸などの香料として明治時代から欧州への輸出も盛んだったみたいですね。クロモジはクスノキ科に分類され、伊豆を中心に日本の山野に古くから生息する落葉植物だそうです。和菓子に添えられるクロモジは高価で最近ではアオモジで代用されることもあります。
クロモジで和菓子を口に運んだ時にふんわり香る木の香り、お菓子のあとにいただくお抹茶の細やかな泡が唇を纏う感触。
日本の美しい伝統、茶道と和菓子の深い関係。それに花を添える名脇役、それこそが日本のクロモジなんですね。


アロマセラピーにおいてのクロモジ

アロマセラピーで使用するエッセンシャルオイルの主な成分は、テルピネオールリモネンで簡単に言葉で表すと”爽やかで上品な木の香り”といった感じでしょうか。


ひのきに並んで日本を代表する樹木系の香り。
私の好きなプチグレン(ビターオレンジの枝と葉から採取される)もおなじ系統に分類されると思います。
樹木系のオイルに共通している効果・効能として殺菌・抗菌作用に優れていることや、気管支などのトラブルに役立つことから、咳が出るときなど入浴時に使うとリラックス効果も期待できるので私はバスソルトを作るとき他の樹木系とブレンドしたりして、お風呂での森林浴を楽しみます。
すがすがしい香りがお風呂いっぱいに広がって皮膚にも良いですしとってもお気に入りです。
以前こちらのブログで紹介させていただいたキッチンスプレーのブレンドにも是非。


和菓子作り体験

今回私が習った季節の生菓子。左から。梅、菜の花、鶯。
上生菓子 三種類 四個作成
1人 2160((税込)

七條甘春堂  TEL 075-541-3771 (要予約)

10/21/2015

エアフルト(Erfurt)歴史と文化、自然に恵まれた街(2)

ワスプの命から学んだこと(続き)

お庭で見かけるビーハウス
脚を折畳み、息絶えた一匹のワスプがファルクの手のひらの中に横たわっていたのでした。さっきから私たちの周りを沢山飛び回ってるワスプを何故いまさらファルクが捕まえたりしたのか、そして物や自然、エネルギー資源までももの凄く大切にするファルクがわざわざワスプを殺すのか。駆け寄った娘と私は思わずお互い顔を見合わせ首を傾げました。
「これ、見える?」
ワスプの死体を少し割き、ファルクが指さした先には黄色の鋭い細い針のようなものが見えました。(おそらく、いや当然ながらこれが針よね。それくらい私でも分かるけど…?)と思いましたがファルクは言いました。「彼女は人を刺すと、この針を体から失うんだよ。そしてこの針を失うということは彼女は死ぬんだ。そのことを彼女は知ってるんだよ。わかるかい?」
「She? ってことは女なの?針がなくなると死んじゃうの?」娘は興味深そうにファルクの手のひらを覗き込みながら聞き返しました。「そうだよ。彼女自分が死ぬことを知っていて刺すんだよ。命を捨ててまでも刺すということはそれ程までも彼女は身の危険を感じてるんだね。刺さなきゃいけないぐらいの危機をね。」ハッとした表情の娘を前にファルクはさらに続けました。
「Šíkaが怖がって素早い動きを見せたり彼らを追い払おうと刺激を与えたりしなきゃ、滅多に向こうから攻撃しては来ないよ。だって刺すと死ななきゃいけないって彼女たちはわかってるんだから。」
そう言い終わるとファルクはワスプの死骸をつまみあげ、食べ終わったイチゴのヘタと一緒に飲み終わったバターミルクのカップへと片付けました。
「私にそれを見せるためにこの子を殺したんだ...ファルク。」娘はもう一度死骸を見せてとカップから取り出したワスプを神妙な面持ちでじっと見つめもう一度カップにそっと戻してました。結局彼が娘に言いたかったことは、どうしたら刺されないで済むか?ということではなくて、蜂と人間が共存するための最良のヒントを幼い娘に教えてくれたのですね。

一年中何かが咲く蜂のためのブレンドシード

ワスプに限らず今回エアフルトでは蜂と人間のバランスのとれた関係性を築くための様々な工夫を間近で見ることができました。例えば蜜蜂のための手作りビーハウスや、一年中何かが咲くという蜜蜂のための花の種など。ファーマーズマーケットでも必ずと言っていいほど蜂蜜を見かけます。自然と人間のバランス関係を上手く保ち、メリットを共有し合っているドイツの人々。苦手意識のある相手でも一歩踏み込んで相手を深く知る事で得られる円滑な関係性、人間関係に置き換えたとしても有効かもしれませんね。

7/17/2015

From our road trip! 熊本 阿蘇より vol.1

自然に触れる旅、阿蘇

Amazing nature spot. Aso in Kumamoto prefecture.

5月の連休明け、気候はまだ暑くもなく夜は少し肌寒いぐらいでした。
東から西へ日本海沿いをずっと車で走りさらに南へ下り、下関を抜け九州へ入り福岡市の次に訪れたのはずっと長い間もう一度来てみたかった阿蘇です。
私が初めて阿蘇に来たのは中学生の時の修学旅行でした。
もう随分前の事ですが、当時の思い出の中で一番印象深かったのが壮大な自然が残る阿蘇の大観峰からの景色と放牧されていた馬との触れ合いの出来る美しい山でした。
阿蘇の山の麓には温泉街があり、広い範囲で畑が広がっていて美味しそうなお野菜が沢山売っている道の駅もありました。
私たちは新鮮なほうれん草やトマトを買ってキャンプ場へ向かいました。

阿蘇の山々に囲まれた道をのんびりドライブ。とても清々しい気分になれます。
Driving between the mountains. Refreshing mountain air!


坊中キャンプ場 <Bochu campsite>

Beautiful and low-cost campsite in Aso!

阿蘇の市街地から少し山を登って行くと、10分もしないうちに左手にキャンプ場が見えてきます。坊中キャンプ場  設備も充実していて芝も綺麗に整備されているリーズナブルで素敵なキャンプ場です。ファミリーサイトではツーリング中の方々も皆個々に自然の中でキャンプを満喫していらっしゃいました。そして管理人の1人松本さんはパラグライダーのインストラクターでとても親切な方です。パラグライダーの体験を阿蘇で!という方は是非こちらの松本さんを訪ねてみてはいかがでしょうか。パラグライダーのスペシャリストでパラグライダーを通じての国際交流も深めていらっしゃる松本さんはヨーロッパの山々をも楽しんでいらっしゃるそうです。阿蘇の絶景スポットをきっと案内してくださるはずです!
私はと言いますと、パートナーからのスペシャルプログラムで早朝ヨガセッション。小鳥のさえずりが響く緑に囲まれた澄んだ空気の中でのヨガは特別に素晴らしいものでした。
ヨガは初心者なのですが、体調に合わせて体を動かせるのが魅力ですね。
美しく手入れされた芝。坊中キャンプ場ファミリーサイトにて。
At Bochu campsite. I am a beginner of Yoga :)