ページ

ラベル Humanrelations の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル Humanrelations の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

6/20/2016

自分を見つめる旅 Newstrelitz (2)

今回は前の旅の日記の続きを書き留めておこうと思います。ノイシュトレーリッツはドイツ北西部メクレンブルク=ホワポンメルン州にある町で、ベルリンから北に約120km、(ローカル線の電車で1時間15分)のところに位置します。
沢山の湖が見られるノイシュトレーリッツ。

メクレンブルク湖水地方は約12000年前に氷河期最後の雪解け水によってこのような地形に形成されたそうです。
巨大な森、ミューリッツナショナルパークで湖のほとりを歩きながらそんな話を聞いていると頭の中に巨大な氷河が溶けて流れ込む様子が目に浮かび、感慨に浸りながらさらにさらに森の奥へと進んでいきました。
今朝は鳥のさえずり声と日の出と共に目を覚ましました。着替えを済ませた頃にちょうどファルクも部屋をノックしてくれました。まだ日中との気温差激しいドイツ。寝る前にファルクが準備しててくれていた薪ストーブのおかげで凍えずに熟睡できたはずなのですが…。実は旅の初っ端から大変なアクシデントに見舞われたのでした。
昨夜、夕食を済ませたあとファルクが私の部屋の出窓に喉が渇いたら飲めるようにと気を利かせてハーブティーの入ったティーポットを置いてくれていました。薪ストーブの火が勢いよく燃えて彼が言ったとおり、深夜には部屋がサウナ状態に。暑さに耐えきれず目を覚ました私は暗い部屋の中、月明かりがぼんやり照らす白い窓枠を頼りに手探りで見つけたレバーを引き、ずっしり重い窓を少し開けました。冷たい風がすうっと隙間から流れ込んで部屋は丁度良い温度に、私はまた深い眠りにつきました。その時いきなり側でガシャーンと陶器の割れる音がしてハッと目を覚ました。私はそれが何かという事にすぐ気が付きました。強い風が吹き込んできた瞬間、窓が押されて大きく開きティーポットが落ちて割れてしまったのです。間違いなく3世代は大切に使ってきたであろう古く美しいデザインが描かれたティーポットは悲惨な姿に、そしてまだおろしたてのカーペットにハーブティーが染み込んでしまいました。ファルクのお母さんの思い出がいっぱい詰まったティーポットを壊してしまった。ああ、時間を戻せたらいいのに...。とっさにテーブルの上に置いていた明らかに小さすぎるハンカチを染みに押し当て、壊れた破片を1つ1つ片付けながら次にどうすれば良いか考えていました。
薪ストーブのあるベッドルーム。
薪ストーブの炎は落ち、ほのかな温もりが部屋に残りベッドもカラッとふかふかで快適なはずなのにこの惨事のためにその後は全く眠りにつくことができませんでした。そして翌朝起きてから泉の湧き水を飲むまで口を開いてはいけないという約束事をすっかり忘れてしまっていた私は、おはようと言っても無反応なファルクに昨日の出来事がリンクしているのだと一方的に思い込んでかなり落ち込んでいました。周りの清々しい空気と木々の隙間に明るく差し込む朝日とは対照的に暗く沈んだ気分ままファルクの背中を追いました。森に入る途中でふと昨日の約束を思い出したのです。
どれぐらい歩き続けたでしょう。時計も携帯も持ち歩かない、暗黙のルールは了承済みです。ただ太陽の傾き加減と風の方角だけを頼りに巨大な森を歩き続ける彼は博識多才でとても同じ歳だとは思えません。「彼は話し出すと止まらないことがあるのよね。」と彼の母が話してたことを思い出し思わず笑顔になりました。日本を歩いて縦断し東海道を通って京都に辿りついた。と山で出会った時に聞いて彼はただ者ではなさそうだと思ったけれど、さすがに今回も私達が次に向かう方角を何の迷いも無く指し示す彼の指が私には彼はただ者ではないと語っているようにすら思えました。
ふと空を見上げると、太陽はまだ真上ではないことから正午より早い時間だということだけは私にもわかります。
朝に洗った長い髪もすっかり乾いて来た頃、やっと泉に辿り着きました。黒い土と湿った草の隙間からキラキラと湧き出る泉。ぬかるみを避けながら泉の傍に側まで歩み寄り屈んで両手いっぱいに掬いあげた湧き水を一口ふた口飲みました。それは冷たく、そして枯葉などの有機物を沢山含んだ湿地特有の土の味がしました。決して美味しい水とは言えませんがこの味は私にとっての唯一無二の忘れられない味になったのです。
一言目に口を開いたファルクは言いました。「喋りすぎだよ!笑」
忘れてた!ゴメン。笑い声は広い森に響き、水の流れる音と木々の犇めきあう音と共に穏やかに消えていきました。

森を歩いていると、所々に明らかに人工的に木で組まれた台があります。それは猟師の為の見張り台だとか。獲物の行方を観察する台だそうですね。そしてその近くに建てられた丸太の先を指して「これ何の味がすると思う?」とファルクは木の先を触ると指を舐めて見せました。私も真似して舐めてみたところ木を止めていた釘の錆びた鉄の味が鼻からツンと抜けました。「何これーっ!不味い。鉄!!」ハーブや蜜のフレーバーなんかを想像していた私は予想外の味に顔を歪めて叫んでしまいました。ファルクと一緒に味見する物っていつも変わった味がするような気が…(苦笑)「ああそうかい、まあ鉄の味もするけどね。笑」それは動物を誘き寄せる為に塩の塊を置く台のついた丸太だったのです。そう、この森は沢山動物がいるのですね。土の上には動物たちの毛や足跡が付いていてそこからファルクは動物たちがいた時の状況をいくつかの条件から推測して説明してくれました。「この両足跡の距離と体重のかかっている位置と足の爪の開き具合からして速く走ったことが判る。しかもこの足跡とこっちは違うね。これも違う。鹿の群れで何かから逃げたようだね。そして、あっちの木の下は安全な場所。あそこで止まってるね。」ファルクの話にのめり込むように聞きいっているとまた、私の頭の中に沢山の鹿の群れが目の前を走っているイメージが出来上がりました。他にも樹液を集めて天然ゴムを採取した頃の傷跡が木に残っていたり、1945年以前かつてのロシア赤軍がこの森で演習をしていた頃の戦車の通り道や停車場も当時のままの姿を残していました。そして木材になる木の種類もとても豊富でビーチやバーチ、ホワイトウッドやオークなどを身近に見ることができました。時々立ち止まって白い古い木の皮を剥いでポケットに詰めているファルク。何に使うのかと訊ねたところ、この木材が薪ストーブの火を最初に起こすときには1番最適だとか。さらに歩き続けましたが、森の中は陰が多くたまに冷たい風が吹くので薄着だった私の身体は徐々に冷えて来ました。寒いのかい?ファルクは道を逸れると徐ろにすすきの穂を摘み始め、集めた穂の束を私に差し出しました。そうです、私の予想した通りこれを背中とお腹に入れておけと。いい毛布代わりになるよね?と言わんばかりにファルクは微笑を浮かべ、また歩き続けました。すすきの穂は細かい屑が散らばり、硬い茎の部分がチクチクと肌に当たるので決して快適とは言えません。でも何も無いよりはマシだしこのまま寒さに耐え続ける訳にもいかないと彼のアイディアを肯定するよう自分を納得させて青いソフトシェルと肌着の隙間に乱雑にそれを詰め込みました。そしていつも通り振り返りもしない、待ってもくれない彼の後を追いました。着ぐるみを着ているかのように膨らんだおなかで。かなり不恰好な容姿のまま小走りで。その姿はまるでドラえもんです。こんな姿、見たらみんな笑うだろうな…。でも幸いここには誰も居ません。
そう、仮に大自然の中の社会に必要最小限の物だけで生きていかなければいけないとすれば、私は何を本当に必要とするのでしょう。考えてみるととても深く面白いのです。必要性の高いものの優先順位の位置付けとして"華美な装飾"例えばメイクアップなどはかなり優先順位の低い、もしくは不必要に等しいのではないかと思いました。一般に言えば子孫繁栄の為に雄を魅了する目的?それ以外にここでは必要では無いのかもしれませんね。いや、でも雄を魅了するのに着飾ることは自然界では通用しないのかもしれません。飾られた美は雨や風、自然界の中では一瞬にして消えてしまうもの。動物の中の人間として異性を魅了する為のものにはそういう飾られた美は必要なく知識や人間性、優しさや思いやり裸の自分になった時であっても無くならないものである必要があり、生まれ持った美しさや個性を受け容れてくれる相手が自然にパートナーとして成立するのかもしれないと思いました。でも実際私たちは森の中で生活している訳ではなく、モノに溢れた現代社会に属しているので少し話が違うとは思いますが。しかし日常社会に戻ってもきっとベースは同じであるべきなんでしょうね。そこにプラスαメイクアップやファッションで自分のカラー、香り、個性をアピールするのは悪く無いと思います。もちろん人それぞれ、意見は異なると思いますが。でも少なくとも私はこの数日しばらく日常社会から離れ周りからの情報、SNSを断ち、自然と向き合って過ごしてみた中で幾つか大切なことを再確認できた気がしました。

そして午後になり、私達が森の中から広い草原に出たときには二羽の野生のツルが華麗に舞う姿をも見る事が出来ました。暫く立ち止まり双眼鏡を開いた私達は静かに息を潜めて彼らの姿を観察しました。 細く長い脚の美しい二羽の鶴はエレガントで美しくいつまでも眺めていたいと思うほどでした。
この深い森には長い歴史と共に育まれてきた人々の知恵や貴重な自然の産物、野生動物の住処が残されている国立公園として沢山の自然愛好家に親しまれ続けているのです。
小屋に戻ったあと、ファルクは前日に作ったというミルクのスープを温めてくれました。なんかもうチーズっぽくなってるね、と笑いながら。お決まりのライ麦パンに始まってハーブ入りファーマーズチーズをはじめとする数種類のチーズ、リンゴとブドウ。シンプルでも温かい食事にイースターホリデーの沢山の美味しいチョコやナッツなどのお菓子を大人の私だけのために隠してくれるなど心憎い演出まで。彼の心のこもったホスピタリティに再び感動させられました。
鳥の図鑑と双眼鏡を片手に、森の木々の声、自然に残る歴史や動物たちの足取りを辿るこの旅で美しいものに出逢い、普段気付かなかったことについて改めて考えたり自分を見直すことが出来たことは何よりの収穫だったと思います。

Thank you so much! Peter, Johanna , and Falk. 

5/17/2016

A Jewelry Box floating in the night sky( EN)

A Jewelry Box floating in the night sky



Close your eyes, and you will feel something similar to the sound of silence.

It allows your five senses to wake up. I'm in a deep forest, in Germany.

During the times of Former East Germany (also known as GDR), there was a period when entering the Mülitz National Park was strictly prohibited to the public. Because of this, the plant and animal life of the forest remained undisturbed for years.

Rare plants and trees that can only be seen at beech virgin forests along with several bird species and wild animals inhabit the forest.

Species like the endangered white-tailed eagle known as Osprey, common cranes, black storks, red deer, Eurasian Bittern, pigs and woodpeckers live in the woods.

I take several deep breaths. The clear and fresh air makes me forget the fatigue caused by the long train journey that brought me here. It smells of wood, fallen leafs and soil. An animal was there recently.

Mülitz national park was founded in 1990 over 318 ㎢ of land (The same size as six Tokyo Domes!), in Mecklenburg-Vorpommern. In total, there are 100 lakes and countless bodies of water in the park. I felt that if I go deep inside the forest alone I could easily get lost. This forest is huge.



Now it must be the time when cherry blossoms are catching people's attention in Japan. In Germany, we are in the middle of the Easter holiday.

Last time I saw my friend Falk was August.  Now he looks like he has lost some weight. I don't know if it's just my imagination, but he really looks different. Germany is facing a serious immigration problem nowadays. His way of seeing all this is very patriotic, maybe even going further than most people do. He must be mentally tired, so I decided to ask him about it.

I got the feeling that everyone reacts more sensitively about this subject recently. They can't hide their irritation, making it hard for them to face reality.

They don't know ho should they blame for, what leads them to hurt people that has nothing to do with all this. It's like a vicious circle from where they can't escape easily. Since we didn't met for a long time, I thought that the best was to stop talking about it. I still think that we shouldn't ignore reality.

We arrived to a town called Neustrelitz. Neu means New. The name Strelitz is a derivation from Polabian (the language spoken by the ethnic Slavic people that came from the Baltic Sea, at the Elbe River basin of northern Germany). Strelci means Shooter.

Long time ago, around 1278, this place was a small village called Strelitz. Over the centuries it became bigger, so the town of Neustrelitz was built next to Zierk lakeIt, becoming the official capital city of Mecklenburg-Strelitz in 1736.
Mülitz National Park

A bright and elegant orange blossom is the symbol of the city. The palace that used to be on the small hill was destroyed in 1945, but the beautiful garden still remains. A Neo-Gothich church along with a statue of a pricess that died when she as young and several tombs are located by the lake. This place is full of historical aspects.

Falk took me to what he said to be the best ice cream shop in town, located in the center of the town's square, and from the castle ruins we moved on through a street that was radially divided. We walked for about eight kilometers while talking about the town of Neustrelitz.

I wear the cobalt blue rucksack that I've been using almost everyday during the last seven years along with my favorite lace up shoes, which I bought years ago. They are pretty comfortable. I filled the rucksack with small little souvenirs from Japan, minimum necessary clothes and basic toiletries. Very light and simple journey. He asked his friend to keep my luggage. That was nice of him, otherwise I couldn't have been able to continue walking anymore.

We were heading to the rural village where Falk's uncle used to live, and where he spent vacations during his childhood. The buildings started to disappear as we continued walking, spreading endless grasslands in front of out eyes. Sun was setting very quick. "Shall we walk faster?", he asked.
Beautiful sunset

I was starting to be afraid that we couldn't manage to arrive to the village before night. In that moment I wish I had a headlight, but then I forgot about it since I was not alone. Completely far away from the hustle and bustle of the city, only our footsteps could be heard, endlessly echoing into the forest.

We saw some cattle grazing in the distance. I had a mystical sensation mixed with a huge relieve knowing that I was going to safely reach the town while looking at a beautiful sunset and nature. Expectations for an unknown destination along with tiredness and fear of the dark.

We spotted a goose on the darkness of the grassland. Contrary to the white gooses from Japan, this one was grey and dark. They are cautious with humans, so we couldn't get near it.

I head some birds chanting, so I looked up at the sky. Some clouds were thinly overlapping, making it look like the canvas of a painting. Two black gooses, were crossing the sky, coming from the west and heading to the east. We also spotted some fellows of the grassland goose eating something on the ground. The sky was becoming completely dark. Bats and unknown birds fled along the hazy path in front of us.

"Look! We can see the Cassiopeia constellation"

Looking up the night sky while listening to his voice, I could see thousands of sparkling gems scattered on top of the dark blue carpet floating over us. I never saw anything like that before in my life. So many starts twinkling and sparking.

I can't describe how beautiful it was even using Japanese.

For me, those starts shine much more brightly and attractive than the sparkle of dozens of carat diamonds. I felt like the distance between the sky and me as not so distant.

After walking for awhile, we finally saw the orange lights of the village.

This is my entrance talking about Mülitz National Park. I hope you can also live such an amazing experience when you visit it.

Tomorrow is Easter Sunday. We will go to drink pure water from the fountain that is located deep in the forest, but we are not allowed to talk until we drink the water. If we respect the belief, we will supposedly get beauty for one year! Let's see if it's true.

4/17/2016

プラハのファーマーズマーケット

Farmářské Tržiště (イジャーク ファーマーズマーケット)


プラハに滞在する際、"現地の食材を使って料理をする"というのが私の楽しみの1つです。以前はスーパーで全部材料を揃えて料理をしていましたが、最近は時々ファーマーズマーケットを訪れて直接生産者から食材を調達するのが楽しいですね。
カラフルで目にも楽しいファーマーズマーケット。

生産者と直接話すことで、どこでどういう風に作られたかなど詳しく教えてもらえますし、安心感があります。日本でも最近は便利な大型スーパーが増える一方で
個人商店が各地から消えて行くという状況、そして本来なら商品を通して生まれるはずであった生産者と消費者のコミュニケーションの場が減少しつつある今、こういった光景は私にとって懐かしくまた新鮮なのです。況してや他国の珍しい野菜やフルーツ、工芸品などとなると余計にワクワクしますよね!ファーマーズマーケットではプラハ郊外から沢山の生産者がトラックに新鮮な商品を積んで直接売りに来ていました。皆自分達の作った商品に絶大な自信を持ってスタンドで販売しています。
フレッシュヨーグルト。味見も沢山させてくれます。
私たちは出来たてヨーグルトのお店に立ち寄りました。質が変化しないように丁寧に瓶詰めされたヨーグルトは200mlで29czk(約150円)。スーパーのものに比べれば少々いいお値段ですが味はお墨付き。1つお店のおじさんは1つずつフレーバーを説明してくれます。天然の蜂蜜が入ったヨーグルトを買って帰りましたが、娘は「コレが本物のヨーグルトの味だね!」と新鮮なヨーグルトに感激していました。

ざっと見た限りでは、パン屋が三軒ほど、ヨーグルト、ミルク、精肉、加工肉店、イタリアンレストラン、沢山の野菜や果物、花や植物の苗、焼き菓子やケーキ、エプロンやテーブルクロス、木工芸品、陶器、パニーニ、ハーブやスパイス、魚、ジャムと蜂蜜など規模はそこまで大きい感じではありませんが、色々なものが揃います。もちろんベンチもありお昼時はランチを求めてお客さんがいっぱい。そんな感じです。私のお気に入りのプラハ2区。素敵なカフェやレストラン、雑貨屋さんが集まったモダンなエリア。この辺りで週に4日開かれているファーマーズマーケットがこちらです。

Jiřák ファーマーズマーケット

トラムを降りて少し北に歩けばすぐに見つかります。
nám. J. z Poděbrad, 130 00 Praha, チェコ共和国

Open: 水曜日〜金曜日 8:00-18:00
           土曜日 8:00-14:00
Close: 日、月、火
トラム10番または16番でVinohradská vodárna下車 北にまっすぐ400mほど歩く。
または地下鉄A線Jiřího z Poděbrad下車すぐ。

2/24/2016

伝統ある京町屋を吹き抜ける和蘭の風

Lisanne Kleinjan 個展 at ANEWAL Gallery 


先日、オランダ出身の友人の個展が出町柳のギャラリーで開催されるということで最終日の日曜日にこちらのAnewal Gallery さんを訪ねました。先日のブログでも少し町屋について触れましたが、今回訪れたこちらのギャラリーもまさにその町屋の造りを活かした上品で落ち着いたギャラリーでした。ANEWAL Gallery



絵画から伝わるリサンネの人柄とは


オランダ、ロッテルダム近郊出身のリサンネは高校時代の日本文化に詳しい教師の影響を受け日本について勉強し始めたと話してくれました。生粋の西洋人という風な外見からは想像もつかないぐらい流暢な日本語を操る透き通った目の彼女は2度目の日本留学で京都に来たのだそうです。同志社大学に通いインターンシップでこちらのギャラリーを通じて通訳の仕事をする傍ら色鉛筆や筆で思い付くままに絵画を何点も描いていたのだそうです。帰国を目前に一年間の作品や思い出を集約した個展が今回の企画でした。しかし趣味で個展が開けるぐらいの才能があるって本当に素晴らしいですね。私がリサンネと出会ったのは、とても優しい心の持ち主である日本人の友人マイちゃんを通じてでした。
マイちゃんと同じく、リサンネも温和な雰囲気で聡明で優しい女性だったのには納得でしたね。類は友を、まさにその通りですね。
トークイベント後のお茶会でゲスト一人ひとりと話すリサンネ。
彼女の色使いは独特です。鮮やかで力強いのに主張しすぎない、不思議な彩の世界です。私が最初に彼女の作品を目にした瞬間のイメージを言葉に表すと、明るいポジティブな雰囲気という表現が適切でしょうか。全体的に丸みを帯びたモチーフからは彼女の柔らかい温かみのある人柄が伝わってきます。絵の力って凄いですね。それに加えて色の力強さからも彼女の強い意志や信念が現れているように捉えられました。
今回のテーマである絵葉描!一枚ずつ手に取って見られる展示の工夫は日本人アーティストからの影響だそう。
来場者も参加できる絵巻アート。
リサンネが日本語を覚えるためにイラストを施しビジュアル化した単語カード。

中でも印象的だったモダンで京風なオリエンタルな香りのする作品。


展示会ではリサンネ本人の京都を舞台にしたアートプロジェクトなどのトークイベントがあり、そのあとはオランダのハーブティーを急須で、オランダのお菓子と日本のお菓子が並ぶ「不思議なお茶会」と題された味覚でも楽しめる企画がありました。本当に内容の濃い展示会でした。それもまたこの町家という環境での展示会だったからこそ実現できたのでしょうね。


京都の町家を守り継ぐプロジェクト

庭に臨む離れから。京都らしい雰囲気を楽しめる。

持ち主の高齢化の加速や、柱などの修復に必要な木材が入手し難くなったが故に修繕、維持が困難な状態に陥って止むを得なく取り壊されていく町家の現状を語ってくれた建築環境を勉強されている美人京娘のカンコさん、オーストラリアで仕事を持ちつつ京都は町家にいまでもお住いのカズキさん。
こちらのギャラリーの様々なプロジェクト、展示方法や場所の工夫でアートの見方が180度変わるということ、物を極力買い足さずそこにあるもので建物を創るという物の価値を見直すという建築家の話など多岐にわたって建築、アートの分野でのお話を聞くことが出来ました。

物を大切にするということから生まれる新しい発想や思いがけない出会いやつながり。ものに溢れた日本社会を外からみた価値観の相違など、リサンネの個展を通じて個人的にとても大切な事を色々と学ぶことができました。そして広い京都の中のこの素敵な町家のギャラリーのスタッフの方々との出会いも。リサンネが帰国したあともまたひょっこり訪ねてみたいと思いました。



ANEWAL Gallery アニュアルギャラリー

TEL: 075-431-6469
FAX: 075-950-3240

602-0059  京都市上京区実相院町156
(堀川今出川バス停近く)





10/21/2015

エアフルト(Erfurt)歴史と文化、自然に恵まれた街(2)

ワスプの命から学んだこと(続き)

お庭で見かけるビーハウス
脚を折畳み、息絶えた一匹のワスプがファルクの手のひらの中に横たわっていたのでした。さっきから私たちの周りを沢山飛び回ってるワスプを何故いまさらファルクが捕まえたりしたのか、そして物や自然、エネルギー資源までももの凄く大切にするファルクがわざわざワスプを殺すのか。駆け寄った娘と私は思わずお互い顔を見合わせ首を傾げました。
「これ、見える?」
ワスプの死体を少し割き、ファルクが指さした先には黄色の鋭い細い針のようなものが見えました。(おそらく、いや当然ながらこれが針よね。それくらい私でも分かるけど…?)と思いましたがファルクは言いました。「彼女は人を刺すと、この針を体から失うんだよ。そしてこの針を失うということは彼女は死ぬんだ。そのことを彼女は知ってるんだよ。わかるかい?」
「She? ってことは女なの?針がなくなると死んじゃうの?」娘は興味深そうにファルクの手のひらを覗き込みながら聞き返しました。「そうだよ。彼女自分が死ぬことを知っていて刺すんだよ。命を捨ててまでも刺すということはそれ程までも彼女は身の危険を感じてるんだね。刺さなきゃいけないぐらいの危機をね。」ハッとした表情の娘を前にファルクはさらに続けました。
「Šíkaが怖がって素早い動きを見せたり彼らを追い払おうと刺激を与えたりしなきゃ、滅多に向こうから攻撃しては来ないよ。だって刺すと死ななきゃいけないって彼女たちはわかってるんだから。」
そう言い終わるとファルクはワスプの死骸をつまみあげ、食べ終わったイチゴのヘタと一緒に飲み終わったバターミルクのカップへと片付けました。
「私にそれを見せるためにこの子を殺したんだ...ファルク。」娘はもう一度死骸を見せてとカップから取り出したワスプを神妙な面持ちでじっと見つめもう一度カップにそっと戻してました。結局彼が娘に言いたかったことは、どうしたら刺されないで済むか?ということではなくて、蜂と人間が共存するための最良のヒントを幼い娘に教えてくれたのですね。

一年中何かが咲く蜂のためのブレンドシード

ワスプに限らず今回エアフルトでは蜂と人間のバランスのとれた関係性を築くための様々な工夫を間近で見ることができました。例えば蜜蜂のための手作りビーハウスや、一年中何かが咲くという蜜蜂のための花の種など。ファーマーズマーケットでも必ずと言っていいほど蜂蜜を見かけます。自然と人間のバランス関係を上手く保ち、メリットを共有し合っているドイツの人々。苦手意識のある相手でも一歩踏み込んで相手を深く知る事で得られる円滑な関係性、人間関係に置き換えたとしても有効かもしれませんね。

7/25/2015

繋がる、幸せサイクル

田舎の良いところ

先日近所に住む職場の大先輩に、自家製柴漬けを頂きました。なのでお礼にパイを焼いて持って行ったらまた畑で採れたバジルをスーパーの袋一杯持たせてくださいました。
今の職場で働き始めてから、何かと職場関係で知り合った農家の方々とつながりができ、有難い事に野菜を頂くことが本当に増えました。最近の都会では少なくなった光景ですね。

そういえば子供の時、田舎に住んでた頃は、よく隣のおばあちゃんが産みたて卵を持ってきてくれたものです。
ある日母にお使いを頼まれた私は隣のおばあちゃんの家に回覧板を持って行きました。「おばあちゃんー!回覧板!」いつものようにガラガラと重い錆びた鉄の門を力一杯スライドさせてあけたその時、庭で放し飼いされていたニワトリが木から舞い降りて突然勢いよく私の肩に飛び乗ってきました。(ニワトリが飛ぶなんてその時初めて知ったのです!)
鋭く尖った二本の脚の爪が私の肩に食い込んで、意外にも重いニワトリの体重にフラついてよろけ倒れた私は、回覧板を放り出し全身から目一杯の悲鳴をあげながら逃げ出したのは言うまでもありません。
それからニワトリが出てる時にはおばあちゃんの庭には近づかなくなりましたが、そんな目に遭ったにも関わらずニワトリの卵だけは毎回楽しみに頂いていました。
しっかりとぶ厚く茶色い卵の殻に千枚通しで穴を開けて、そこからストローをさして生卵を飲んでいた記憶があります。当時歯が悪かったうちの祖母の為に母が炊く白米は少しだけ柔らかめで私には物足りない食感でしたが、卵かけごはんも新鮮で美味しかったですし。卵黄の弾力と色が違うんですよね。双子ちゃんもしょっちゅうありました。
懐かしいです。放し飼いのニワトリの卵は本当に美味しいですね。

隣のおばあちゃんと春はワラビ取り、秋は山に栗拾いによく連れて行ってもらったものです。私の小さいな靴で栗のイガを踏んでは一生懸命に中身を取り出していました。虫食いが意外に多くて栗に穴を見つけては子供ながらに残念な思いをした事をよく覚えています。
今でも実家に帰ると母が「にんにくの代わりに玉ねぎを頂いたの!」とか「これはお隣さんの人参よ。」とか田舎の物々交換は健在ですが、私もこうして何かと頂く機会が多くあるので毎回お礼に無理のない程度の焼きたてパンやお菓子を持って行きます。ちょっと珍しい物を焼くと喜んでもらえてこっちまで幸せになれますね。素敵な幸せサイクル、もっとこれからも拡がっていくと良いですね。

手から手へ頂いたものにはその物以上の価値があると思います。


7/20/2015

傘から考えるリユースとリサイクル

壊れた雨傘

9年前の夏に思い切って買った白地にトリコロールカラーが映える私の雨傘。
折り畳みタイプで軽く、かつ丈夫な作りで流石ラルフローレン!と広げるたびにワクワクしたりして。この傘のおかげで雨の日も楽しく過ごせたと言っても過言でない程お気に入りの傘なのです。どこへ行くのも一緒でした。天気予報を確認して曇りマークが付いてたら鞄の角にこの子を収めて出掛けたっけ。突然の雨に降られてもビニール傘を買いにコンビニで並ぶ人達を横目に涼し気な表情で傘を広げてone note samba さえ口ずさんだっけ(笑)
東京の友達に久し振りに会う時も持ってたし、ハーブ検定試験の当日ドキドキしながら歩いた農大キャンパスでも、友達の出産お祝いに急遽駆けつけた時も、当時の仕事で人間関係に悩み凹み気味で歩いたガーデンシティーでも一緒でした。まるで恋人みたいに甘く切ない思い出がいっぱい。
2日前の台風の影響で激しい雨に打たれた傘は、骨と縫い目の隙間に穴が空き私の額にポツリ、ポツリ大粒のしずくが滴り落ちてまるで私が泣いてるみたいに頬を伝ってきました。傘をさしているのに顔が濡れるなんて初めてで何か不思議な感覚です。まるで「もう捨てちゃうの?そんなの嫌だよ。」と傘が泣いているみたい。まさかね。800メートルほどの短い距離を歩く間にあれやこれや沢山考えて、家の前でふと我に返った私でした。

日本人は他の国の人に比べて傘を買う一人当たりの本数が多いといいます。年間の降水量国別ランキングでも比較的上位でヨーロッパに比べて雨は多い( FAOが発表した降水量ランキング)ようですがそれでももっと雨の多い国よりも傘にお金をかけているようですね。特にビニール傘の購入割合が特に20代に多く、傘の紛失率もそれに比例して高いようです。従ってモノを大切にしない使い捨ての習慣が若い世代を中心に広がっている事を意味していると言えるでしょう。
Weather Newsが統計をとった傘についてのデータです。
私が9年前に奮発して傘を買ったのも、ビニール傘を度々なくす自分が嫌になったのがそもそもの理由です。素敵な傘を買ってから、一度も傘を忘れたことがありません。そしてビニール傘も買わずに済んだので計算すると十分元は取っていることになります。
価値観は人それぞれですが、私はこの方法で雨の日も楽しく過ごせてさらに使い捨てのビニール傘を買わずに済んで大満足です。物を大切にする事をこれからも意識して生活していきたいと思いますね。特にパートナーに指摘されたラップペーパーやビニール袋の使い捨てが多いこと。彼は次の日、私の為に冷凍保存容器をいくつか買ってきてくれました。気が付かずにいた事を恥ずかしく思うと同時に彼の優しさに感激しました。文化が違う考え方が違うからこそ違った視点で物を見て判断でき、お互いの距離が近いからこそ指摘しあえるそんな関係が築けた事にとても感謝しています。素直に耳を傾けて自分自身を見直すべきだと最近感じました。
さて、今から傘を修理に出しに自転車を走らせようと思います!
物を大切にできる人はきっと周りの人も大切にできる人でしょうね。

人参とオレンジのケーキ(乳製品不使用)

先日、近所で有機野菜を育てている方から人参を沢山頂きました。力強く香る人参本来の匂いがとても懐かしく、子供の頃を思い出させてくれました。
私が子供の頃、私の祖父母は沢山米や野菜を育てていましたが、1990年代に大規模な区画整理と商業施設の開拓事業のため、田畑の大部分がお店に変わってしまいました。当時の私は田舎にお店が出来る事に対して、便利になるととても嬉しかった記憶があります。もちろん今でも実家から買い物に出るのは近くて本当に助かる部分はあるのが本音ですが。最近、実家を離れて暮らしてみて、野菜はスーパーで買うのが当たり前になってから、スーパーの野菜の味に慣れ、野菜の本来の味をすっかり忘れかけてしまっていました。
たまに職場の先輩が作る美味しい野菜を頂きますが、今回の人参もしっかりと濃い人参の味がして、子供の頃土が沢山付いたままの野菜を両手いっぱい抱えて家に帰ってくる祖母の姿を思い出し、懐かしい気分と同時に今はもう無くなってしまった畑のことを考えて少し切なくなりました。先祖代々受け継がれた土地や文化を守る事は大変難しく、手放す時は一瞬なのです。そんな思いを馳せながら大地の恵みをいっぱい受けて育った人参ケーキを作りました。

人参とオレンジのケーキ

 
材料(スクエア型一個分)
  • 黒糖またはブラウンシュガー•••175g
  • 米油なければ植物油•••175ml
  • 小麦粉•••125g
  • ライ麦粉•••50g
  • 卵(溶きほぐしておく)•••3個分
  • すりおろした人参•••150g
  • レーズン•••75g
    人参とオレンジの香りがキッチンいっぱいに広がります。
  • すりおろしたオレンジの皮•••一個分
  • ベーキングパウダー•••小匙1/2 
  • 重曹•••小匙1
  • シナモンパウダー•••小匙1
  • ナツメグパウダー•••小匙1/2

[フロスティング]

  • 粉糖•••175g 
  • オレンジ果汁•••小匙1½-2 
作り方
  • オーブンを160Cに余熱する。18cmのスクエアケーキ型(パウンドケーキ型でも可)の内側にバターを薄く塗り、小麦粉をはたいておく。
  • 大きめのボウルに砂糖を入れ、米油を加えて卵も割り入れる。軽く混ぜてさらにすりおろした人参、レーズン、オレンジの皮を混ぜる。
  • 小麦粉、ライ麦粉、ベーキングパウダー、重曹とスパイス類を混ぜておいたものを2のボウルに入れる。全部の材料が均等に混ぜたら、生地は水っぽく流れるような状態になるがこれでOK。
  • 型に流し入れて40- 45分焼く。表面がしっかりフィルム状になるまで焼けたら型に入れたまま5分冷ます。 型から取り出し、金網に乗せて冷ます。(この状態で冷凍可能です。)
  • 粉糖にオレンジ果汁を少しづつ混ぜてクリームぐらいの硬さになったらケーキの上から斜め縞模様を描いてデコレーションする。

7/04/2015

目に見えないサービスの裏側

変わって行くもの、変わらないもの


今日は久しぶりにヘアサロンへ。10年以上通っているこのサロン。
なりたい自分を1説明すれば10まで理解してくれ
期待以上のサービスや結果をいつも提供してくれます。
スタッフと顧客の深い信頼関係が生み出す満足感、安心感そして
何より心地よい環境。
目に見えないサービスだからこそきめ細かなケアが必要と語るプロ意識の高い
スタイリストTさん。何年も変わらないホスピタリティと何年もかけて築いた信頼関係のバランスが保てるそんなサロン。素敵だと思います。
私が自分のサロンを始めたときは"いつでも彼のセオリーを頭の隅に"
と思う今日この頃です。