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4/24/2016

夜空に浮かぶ宝石箱 - Newstrelitz -(1)

目を閉じて、耳を澄ませます。
静寂の中に何かを感じ、五感を目覚めさせることができるでしょう。ここはドイツの深い森。かつての旧東ドイツ(GDR)時代にこの現在のミューリッツ国立公園は軍事上一般市民の立ち入りを固く禁止していた時代が続いた事から、現在でも自然環境が保持されていて珍しい植物や樹木、ミサゴアカシアシギ、コウノトリの仲間のナベコウやツルやキツツキなどの鳥類、鹿や豚など野生動物が生息しています。
何度も深呼吸をしたくなるような森の澄んだ空気がさっきまでの長い列車の旅の疲れを忘れさせてくれました。森の匂いは、落ち葉と土の匂いと木の匂い。動物が居た匂い。

およそ32.2ヘクタール(東京ドーム約6個分)の広さを誇るこの国立公園は100以上の湖といくつもの小さな池や沼などがある湿原地帯で1人で入ると帰り道が分からなくなりそうなぐらい巨大な森です。
町から国立公園へ向かう途中。夕暮れ時の空は悲しく美しい。
Way to go to Mülitz National Park.

日本では桜の花がそろそろ見られる頃でしょうか。イースターホリデーにあたるこの週末。半年ぶりぐらいに会うファルクは相変わらず元気そうでしたが、こころもち痩せた感じがします。深刻な移民問題に直面しているドイツ、特に人一倍愛国心の強い彼はきっと精神的に疲れている部分があるに違いないと思って思い切って聞いてみました。やはり市民は些細な出来事に対し普段以上に過敏に反応しがちになり、皆苛立ちを隠しきれないでいる、と。そしてその矛先が全く無関係の者にも被害をもたらす結果を招き、悪循環に陥っている状況だそうです。久々に会うのにそんな暗い話題を持ち出し、一時的に申し訳ない気持ちで一杯になったけれど、この国を知る上でそれが目を背けられない現実だということを忘れてはいけないのですね。さておき、ノイシュトレーリッツとはNeu(新しい)Strelitz(スナイパー)という意味だそうです。昔はStrelitz といったところがあったみたいで後に今のノイシュトレーリッツになったんですね。オレンジの白いエレガントな花が街のシンボルで、1945年に崩壊してしまった城跡と今でも残る湖を臨む美しい城の庭園、幼くして亡くなった王女様の像、ネオゴシック形式で建てられた教会など歴史的名所も沢山ある町です。
ノイシュトレーリッツ町の中心部のイメージ。
中心部の広場にある町で1番のアイスクリーム屋さんへ連れて行ってもらった後、放射線状に分かれた通りを城跡へと辿ります。ノイシュトレーリッツの町についてあれこれと教えてもらいながら目的地の村へと8キロ弱の道のりを歩きはじめました。一年前に買ったほぼ毎日愛用している履き慣れたお気に入りの編み上げの靴と、7年ぐらい使っているいつものコバルトブルーのリュックサックに必要最小限の身の回りのもの、日本からの僅かなお土産だけ詰め込んでの軽装のシンプルな旅。荷物預かってもらって良かったな。危うく歩けなくなる所でした。
ファルクが幼少時代から長期の休みの度に訪れて過ごしたという叔父さんの村を目指します。歩くたび建物が段々と少なくなり、代わりに目の前には果てしない草原が広がってきます。同時にどんどん日が落ち、「もう少しペースを上げよう。」とファルク。暗くなるまでに村に辿りつけるか不安になってきました。ヘッドライト、あれば良かったな。でも1人じゃないから大丈夫か。
街の喧騒からすっかり離れ、周りには誰1人、車1台すら居なくなり、私たちの足音だけが延々と響くだけです。放牧された牛たちが遠くに見え、無事町に来れた安堵感や美しい夕焼け空と自然への感動、まだ見ぬ目的地への期待、少し疲れ気味の身体と暗闇が訪れる不安が入り混じった凄く不思議な感覚を覚えました。そんな夕暮れ時の草原で最初に出会ったのはグースでした。日本の白いガチョウとは少し違ってダークグレーがかった色ですが、人間を警戒しているので近づいて見ることはできません。鳴き声が聴こえてきたので空を見上げれば薄く重なる幾つかの雲の広がる美し過ぎる夕焼け色のキャンバスのような空を黒い二羽のグースが西の方からから東へ横切っていきました。遠くの草原には仲間らしきグースの姿も数羽見られます。
空を行き来するグースたち。
野生のコウモリや見たことの無い小鳥たちにも遭遇しました。そして辺りはすっかりと暗くなり、前にぼんやりと小道が見えるだけです。
「カシオペア座が見えるね。」
その声にふと夜空を見上げると、そこには生まれて初めて見る煌めき瞬く幾千もの宝石たちがひしめき合うように濃紺の夜空のカーペットに散らばっていたのです。それは私の日本語の語彙力だけでは到底表現仕切れないほどの美しい光景でした。星達の輝きは何十カラットなど呼ばれるダイヤモンドの輝きよりもずっともっと明るくて神秘的で、空と自分との距離が物凄く近く感じるという不思議で貴重な体験でした。
しばらく歩き続けると遂に目的の村のオレンジ色の灯が目に入ってきました。

イースターの朝には、森の奥深くから湧き出でる泉の水を飲むという習慣があるそうです。その水を飲むと1年間美しい容姿で居られるという言い伝えがあるんですって。でも、1つ約束事があって泉の水を飲むまで朝から一言も会話を交わしてはいけないというのです。
果たして無事に泉の水を飲んで1年間の美貌を手に入れることができるのでしょうか。

4/20/2016

ノイシュトレーリッツへの電車の旅

普通じゃないから楽しい!

ノイシュトレーリッツはドイツ北西部メクレンブルク=ホワポンメルン州にある町で、ベルリンから北に約120km、(ローカル線の電車で1時間15分)のところに位置します。
この日は730キロの電車の旅
友達のファルクからイースターホリデーの週末は叔父の田舎に招待するよ。母親の別荘があるからね。と連絡をもらった時はちょうどベルギー国境に近いオランダのマーストリヒトに来ていました。二つ返事をしたものの、地図で場所を確認するとドイツを横断してプラハに行くにはてちょっと北に道が逸れる。けれど、湖に囲まれた自然いっぱいのナショナルパークもあるという事だったのでその夜、すでに持っていた土日チケットに加えICEのチケットをネットで買い足して週末はアイントホーフェンからノイシュトレーリッツに立ち寄ることに決めました。
しかし運悪くその時ブリュッセルではあの空港でテロが勃発し、そのせいで交通機関が混乱、ドイツ内の主要都市間を結ぶ高速列車にも大幅の遅れがありました。日本の友達も心配してメッセージをくれました。本当に感激。こんな友達は大切にしたいものですね。
オランダとドイツの国境駅Venloで朝ごはん。
本来なら電車ですぐ着くはずのフィーアゼンからデュイスブルクもこの日は列車がなく、仕方なくバスでデュッセルドルフまで行くという手段を取るしか選択肢がありません。もうこの時点で予約していたICEには間に合わないと確信した瞬間、ふっと力が抜け逆にリラックスモードに。ただファルクとの約束の時間に待ち合わせの駅に行けない事を携帯を使わないファルクに伝えられない事だけが気がかりでしたが、鋭いファルクのことなのできっと大丈夫。そう信じてバスで仲良くなったブレーメン出身の大学生の女の子とあれこれと世間話をしながら2人で駅へ向かいました。
結局彼女のおかげで移動中の不安も吹っ飛び楽しく旅を続けられました。旅は道連れ!トラブルはつきもの!
彼女は地元の大学入試が上手くいかなかったそうで、オランダの大学で勉強してるそう。「子供の頃イースターは庭で宝物探しをよくしたものだわ。
カラフルなイースターエッグ。
チョコや卵を探すのよね。大きくなった今でも、家に帰ると両親は私のために宝物探しを用意してくれるの!(笑)」とはにかみながら話してくれました。日本にはない文化の話題が興味深く、あれこれ話を聞いているとあっという間にデュッセルドルフへ。
ここで2人で乗り遅れて無効になったICEのチケットの返金交渉をするが、私鉄などが絡んでいたため、全額返金は無理との事。仕方なく一本遅いICEでベルリンへ向かう事に。トラブルのおかげで楽しかったわとお互いポジティブに強くハグして彼女と別れました。

ようやくICEで5時間弱、ベルリンに到着又もや30分以上の遅れが。30分余裕があるはずの次のローカル線乗り継ぎまでたったの2分しかないのです。それを逃すと1時間後。もうファルクを2時間も連絡なしで待たせる訳にはいかない!でも私の荷物は23キロ以上。さらに乗り換えのホームは線路を挟んで向かい側。なんでいつもこういうシチュエーションなの!と深く考える余裕も殆どなく、ここは気合いと運に賭けるしかないとドアのボタンを勢いよく押して荷物を抱えて階段を猛ダッシュ。重いとか上がれないとか言ってる場合じゃないんです。普段からある程度体力をつけておいて良かったと思いました(笑)
乗り換えは無事に完了しローカル電車ではすでにぐったり、間違いなく誰よりも疲れきった顔をしてたでしょうね。
同じ車両にはベビーカーを積んだ二組の子供連れの家族が絵本を読んだり歌を歌ったりして電車の旅を楽しんでいました。自転車も乗せてる車両がやっぱりドイツって感じだな。私はこの雰囲気がとても好き!

待ち合わせの駅のホームに降り立った時、1時間遅れにも関わらず、ちゃんとファルクは迎えに来てくれていました。本当にありがとう。
そして日本の鉄道のダイヤの正確さを改めて実感、実際どちらが良いのかは判断できません。働く側、乗客側の見方は違うと思いますしね。でも日本のスタンダードに慣れている私達からするとちょっと戸惑いますね。こちらに来ると毎回"ゆとりをもって行動しなきゃ"、と思います。

4/17/2016

プラハのファーマーズマーケット

Farmářské Tržiště (イジャーク ファーマーズマーケット)


プラハに滞在する際、"現地の食材を使って料理をする"というのが私の楽しみの1つです。以前はスーパーで全部材料を揃えて料理をしていましたが、最近は時々ファーマーズマーケットを訪れて直接生産者から食材を調達するのが楽しいですね。
カラフルで目にも楽しいファーマーズマーケット。

生産者と直接話すことで、どこでどういう風に作られたかなど詳しく教えてもらえますし、安心感があります。日本でも最近は便利な大型スーパーが増える一方で
個人商店が各地から消えて行くという状況、そして本来なら商品を通して生まれるはずであった生産者と消費者のコミュニケーションの場が減少しつつある今、こういった光景は私にとって懐かしくまた新鮮なのです。況してや他国の珍しい野菜やフルーツ、工芸品などとなると余計にワクワクしますよね!ファーマーズマーケットではプラハ郊外から沢山の生産者がトラックに新鮮な商品を積んで直接売りに来ていました。皆自分達の作った商品に絶大な自信を持ってスタンドで販売しています。
フレッシュヨーグルト。味見も沢山させてくれます。
私たちは出来たてヨーグルトのお店に立ち寄りました。質が変化しないように丁寧に瓶詰めされたヨーグルトは200mlで29czk(約150円)。スーパーのものに比べれば少々いいお値段ですが味はお墨付き。1つお店のおじさんは1つずつフレーバーを説明してくれます。天然の蜂蜜が入ったヨーグルトを買って帰りましたが、娘は「コレが本物のヨーグルトの味だね!」と新鮮なヨーグルトに感激していました。

ざっと見た限りでは、パン屋が三軒ほど、ヨーグルト、ミルク、精肉、加工肉店、イタリアンレストラン、沢山の野菜や果物、花や植物の苗、焼き菓子やケーキ、エプロンやテーブルクロス、木工芸品、陶器、パニーニ、ハーブやスパイス、魚、ジャムと蜂蜜など規模はそこまで大きい感じではありませんが、色々なものが揃います。もちろんベンチもありお昼時はランチを求めてお客さんがいっぱい。そんな感じです。私のお気に入りのプラハ2区。素敵なカフェやレストラン、雑貨屋さんが集まったモダンなエリア。この辺りで週に4日開かれているファーマーズマーケットがこちらです。

Jiřák ファーマーズマーケット

トラムを降りて少し北に歩けばすぐに見つかります。
nám. J. z Poděbrad, 130 00 Praha, チェコ共和国

Open: 水曜日〜金曜日 8:00-18:00
           土曜日 8:00-14:00
Close: 日、月、火
トラム10番または16番でVinohradská vodárna下車 北にまっすぐ400mほど歩く。
または地下鉄A線Jiřího z Poděbrad下車すぐ。

3/04/2016

Flavorful coffee in Dresden Café Oswaldz

Dresden The city that crosses historical and modern  

Excellent steamed milk with good quality coffee
                                     
It was my third time to Dresden in January. Dresden is the third largest city in western Germany and capital city of Saxony. Not so far from Czech border. The city has beautiful river Elbe and old traditional buildings, but also the city has sad history due to the Second World War. I heard that an unknown number amount of people got killed because of bombing. (estimated between 35,000 and 135,000 people)

Nowadays the city is full of energy and I can'tt emagine the situation if I didn't know the story.
 One of my friend recommended me to visit this café when I come back to Dresden again. And finally I tried their coffee with my daughter and one my friend. It was so good. Cozy atmosphere and tasty cakes and willing staff. We can also see contemporary art there.
Location is just 4 minutes walking from Albert platz.
My daughter likes their interior.

Café Oswaldz


Bautznerstraße 9

01099 Dresden) 21 86 20 38

Email cafe[at]oswaldz.de
Opning time
Mo–Fr 8:00–19 , Sa–Sun 9–19 

3/03/2016

Baking with simple ingredients. "Bolo"

上質でシンプルな材料で焼き菓子を。(Recipe in English)

たまごボーロ。柔らかい口溶けのふんわりボーロは子供の頃を思い出します。
家のキッチンで簡単に作れる大人も子供も大好きなシンプルな焼き菓子のひとつを紹介します。

Popular small cookies in Japan "Bolo"
Bolo (No fluor baking)


"Bolo" means one of the western style baked sweets in Portuguese.
We can buy those small cookies at supermarket and we often give the bolo to small kids in Japan. Of course I also love them so much. And taste of the cookies reminds me of childhood. Why don't you try to bake them at home? With only good ingredients!!


Ingredients (10-15 small portions )
1 egg yolk
80g cornstarch
30g brown sugar
2 tbs of milk
Powdered sugar for coating

Method
1. Preheat oven 160℃ and prepare a large baking sheet.
2. In a medium bowl, Mix all ingredients together and combine everything together with hands. Form the dough in small balls and place on the baking sheet. Spaced at least an inch apart from each other.
3. Bake for 18 minutes. When they are still warm but cool enough to touch, roll the cookies into some powdered sugar. Set aside on a rack to cool completely. When cool, dust again in powdered sugar.

2/24/2016

伝統ある京町屋を吹き抜ける和蘭の風

Lisanne Kleinjan 個展 at ANEWAL Gallery 


先日、オランダ出身の友人の個展が出町柳のギャラリーで開催されるということで最終日の日曜日にこちらのAnewal Gallery さんを訪ねました。先日のブログでも少し町屋について触れましたが、今回訪れたこちらのギャラリーもまさにその町屋の造りを活かした上品で落ち着いたギャラリーでした。ANEWAL Gallery



絵画から伝わるリサンネの人柄とは


オランダ、ロッテルダム近郊出身のリサンネは高校時代の日本文化に詳しい教師の影響を受け日本について勉強し始めたと話してくれました。生粋の西洋人という風な外見からは想像もつかないぐらい流暢な日本語を操る透き通った目の彼女は2度目の日本留学で京都に来たのだそうです。同志社大学に通いインターンシップでこちらのギャラリーを通じて通訳の仕事をする傍ら色鉛筆や筆で思い付くままに絵画を何点も描いていたのだそうです。帰国を目前に一年間の作品や思い出を集約した個展が今回の企画でした。しかし趣味で個展が開けるぐらいの才能があるって本当に素晴らしいですね。私がリサンネと出会ったのは、とても優しい心の持ち主である日本人の友人マイちゃんを通じてでした。
マイちゃんと同じく、リサンネも温和な雰囲気で聡明で優しい女性だったのには納得でしたね。類は友を、まさにその通りですね。
トークイベント後のお茶会でゲスト一人ひとりと話すリサンネ。
彼女の色使いは独特です。鮮やかで力強いのに主張しすぎない、不思議な彩の世界です。私が最初に彼女の作品を目にした瞬間のイメージを言葉に表すと、明るいポジティブな雰囲気という表現が適切でしょうか。全体的に丸みを帯びたモチーフからは彼女の柔らかい温かみのある人柄が伝わってきます。絵の力って凄いですね。それに加えて色の力強さからも彼女の強い意志や信念が現れているように捉えられました。
今回のテーマである絵葉!一枚ずつ手に取って見られる展示の工夫は日本人アーティストからの影響だそう。
来場者も参加できる絵巻アート。
リサンネが日本語を覚えるためにイラストを施しビジュアル化した単語カード。

中でも印象的だったモダンで京風なオリエンタルな香りのする作品。


展示会ではリサンネ本人の京都を舞台にしたアートプロジェクトなどのトークイベントがあり、そのあとはオランダのハーブティーを急須で、オランダのお菓子と日本のお菓子が並ぶ「不思議なお茶会」と題された味覚でも楽しめる企画がありました。本当に内容の濃い展示会でした。それもまたこの町家という環境での展示会だったからこそ実現できたのでしょうね。


京都の町家を守り継ぐプロジェクト

庭に臨む離れから。京都らしい雰囲気を楽しめる。

持ち主の高齢化の加速や、柱などの修復に必要な木材が入手し難くなったが故に修繕、維持が困難な状態に陥って止むを得なく取り壊されていく町家の現状を語ってくれた建築環境を勉強されている美人京娘のカンコさん、オーストラリアで仕事を持ちつつ京都は町家にいまでもお住いのカズキさん。
こちらのギャラリーの様々なプロジェクト、展示方法や場所の工夫でアートの見方が180度変わるということ、物を極力買い足さずそこにあるもので建物を創るという物の価値を見直すという建築家の話など多岐にわたって建築、アートの分野でのお話を聞くことが出来ました。

物を大切にするということから生まれる新しい発想や思いがけない出会いやつながり。ものに溢れた日本社会を外からみた価値観の相違など、リサンネの個展を通じて個人的にとても大切な事を色々と学ぶことができました。そして広い京都の中のこの素敵な町家のギャラリーのスタッフの方々との出会いも。リサンネが帰国したあともまたひょっこり訪ねてみたいと思いました。



ANEWAL Gallery アニュアルギャラリー

TEL: 075-431-6469
FAX: 075-950-3240

602-0059  京都市上京区実相院町156
(堀川今出川バス停近く)





2/23/2016

日本古来の香り

京町屋の和菓子屋さん

 Machiya sweets shop in Kyoto

今年に入って何度か京都の町家を訪れる機会がありました。
昔ながらの漆喰の壁に出格子、引戸の玄関に土間や中庭。伝統的な低い家々が軒を連ねる京都の街並みはどの季節に歩いてもそれぞれの趣があり楽しめます。
ちょうどこの寒い時期には、町家の老舗和菓子屋さんで体験できる生菓子作りなんていいですね。
今回、女友達三人で伺ったのは三十三間堂のすぐ向かいにある和菓子屋さん七条甘春堂さんの本店です。

お菓子作りが町家で体験できる。

和菓子作り体験は何度かありますが、こちらのお店の特徴としてはまず京町屋ならではの雰囲気を楽しむ事ができます。玄関先では靴を脱ぎ、二階の間へと古い階段を登っていきます。二階屋外の手洗い場からは屋根が重なった生活感のある中庭の風景が見られます。まるで誰かのお宅にお呼ばれしたかのような感覚ですね。

先生はユーモアたっぷりの熟練菓子職人。

さて、先生の説明があり各自のペースで生菓子を作っていきます。
出来上がった4つのお菓子のうちの一つは、最後にお抹茶を点てさせてもらいその場でいただくことができます。お菓子を作りながら私の友達が先生に質問をしていました。

生菓子の名脇役 「クロモジ」

「先生、この生菓子についてくる楊枝は何故この木なのですか。」
そういえば、生菓子を食べる時に出てくるのはクロモジ。何故なんだろう?見た目も綺麗だからかな。
上品な切り口のクロモジ。

先生はこうおっしゃいました。「香りがね、いいでしょう?」



クロモジの木
クロモジは名前の通り、木の成長過程で皮の部分に黒い斑点ができるそうで、それが文字のように見えたからクロモジなんだとか。
生産地の千葉県の伊豆では楊枝のほかクロモジの精油(エッセンシャルオイル)も沢山採油され、日本を代表する香料の一つとして石鹸などの香料として明治時代から欧州への輸出も盛んだったみたいですね。クロモジはクスノキ科に分類され、伊豆を中心に日本の山野に古くから生息する落葉植物だそうです。和菓子に添えられるクロモジは高価で最近ではアオモジで代用されることもあります。
クロモジで和菓子を口に運んだ時にふんわり香る木の香り、お菓子のあとにいただくお抹茶の細やかな泡が唇を纏う感触。
日本の美しい伝統、茶道と和菓子の深い関係。それに花を添える名脇役、それこそが日本のクロモジなんですね。


アロマセラピーにおいてのクロモジ

アロマセラピーで使用するエッセンシャルオイルの主な成分は、テルピネオールリモネンで簡単に言葉で表すと”爽やかで上品な木の香り”といった感じでしょうか。


ひのきに並んで日本を代表する樹木系の香り。
私の好きなプチグレン(ビターオレンジの枝と葉から採取される)もおなじ系統に分類されると思います。
樹木系のオイルに共通している効果・効能として殺菌・抗菌作用に優れていることや、気管支などのトラブルに役立つことから、咳が出るときなど入浴時に使うとリラックス効果も期待できるので私はバスソルトを作るとき他の樹木系とブレンドしたりして、お風呂での森林浴を楽しみます。
すがすがしい香りがお風呂いっぱいに広がって皮膚にも良いですしとってもお気に入りです。
以前こちらのブログで紹介させていただいたキッチンスプレーのブレンドにも是非。


和菓子作り体験

今回私が習った季節の生菓子。左から。梅、菜の花、鶯。
上生菓子 三種類 四個作成
1人 2160((税込)

七條甘春堂  TEL 075-541-3771 (要予約)