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7/18/2015

先人の知恵に学ぶ。

日本の梅雨。

今日は蝉が鳴いていました。台風は過ぎ去り、雨の後の湿気による日本特有の蒸し暑さにうんざりしているのはきっと私だけではありませんね。
湿気と同時にこの時期悩むのが食品の腐りやすさ。さらに食中毒などの心配もありますね。
私は毎年この時期になるとキッチンの消毒スプレーを作ります。軽く汚れも落ちるのでかなり重宝します。重曹や酢を使って作る掃除用スプレーなどもありますが、私の作るスプレーのレシピはアルコールと水と精油です。
とても簡単なプロセスなので、あえてレシピを紹介するほどでもありませんが折角ブログを書いているのでシェアしたいと思います。
 
 
 

ナチュラルキッチンスプレー 300ml

準備するもの
  • 消毒用エタノール・・・150ml
  • 精製水・・・・・・・・・150ml                 
  • ティートリー精油・・・・・25滴
  • レモン精油・・・・・・・・・20滴
  • スプレー容器
  • ラベルシール
 
作り方
 
1.   エタノールをスプレー容器に入れ、精油をよく混ぜる
2.   この時点で液体は白濁する。
3.   よく混ざった液体に水を全部入れ蓋を閉めてよく振り混ぜる。
 
※精油は親油性で水には溶けにくいのでアルコールと精油を先に混ぜておく必要があります。

 

 殺菌、防腐効果に優れた自然の産物

 
 
レモンは古代エジプト住民が魚や肉を腐らせないように使っていたといわれていますが、レモンの精油成分に含まれるシトラールが抗菌・殺菌作用を発揮します。そして生のレモンを水に落としたりするとクエン酸の働きによっても防腐効果があるようですね。香りも自然の柑橘なので人工的なものとは違って使用時も不快に感じることはありません。
ティートリー精油も同じく殺菌効果に優れていることが有名ですがオーストラリアの先住民、アボリジニは傷口にティートリーの葉を当てて傷をケアしたという話はよく知られています。
 
 
そして、食品に対しての古くからの保存方法は経験や偶然の発見により生み出されたものが今でも多くありますね。日本の文化で調べてみると笹団子のは防腐効果があり、上杉謙信の時代から戦に備えて携帯食としてすでに使われていたようです。「笹の葉で団子を包むのは、いい香りがするからかしら?」などと単純に考えていた私はちょっと恥ずかしいですけどね。他にも梅干しの赤紫蘇山葵にんにく胡椒などにも殺菌効果がありますから、例えば「寿司にわさびをつけて食べる、生姜で消化を促す」なんて理にかなっていますし、おにぎりの塩もただ味をつけるだけではなく 防腐効果も兼ねているなんて日本の保存食文化は素晴らしいですね。食品以外の例ではが建築物に使われている法隆寺の五重塔。1300年も耐えられたのはやはり檜の防腐効果が優れているというのも理由の一つだそうです。

 

ヨーロッパの食文化の歴史を物語る"ザッハトルテ"

 


Cafe Sacherで食べた元祖ザッハトルテ。甘さの裏には当時の糖蔵の知恵も隠されていました。

 
そう言えばサロンで働いていた時、ウィーンでケーキを食べたいなと友人(パティシエである元クライアントさん)に話したところ「折角なので元祖ザッハトルテを食べに行かなきゃ!」と言われカフェザッハー(Café Sacher Wien) でザッハトルテを食べてきました。確かに美味しかったけれど「あのケーキはちょっと私には甘すぎかな。」と感想を言ったとき、「ザッハトルテが生まれたころは冷蔵庫なんてなかったからね。昔のヨーロッパの人の知恵があのケーキには詰まってるのよ。」と教えてくれました。




1832年(今から約180年も前)に誕生したザッハトルテ。当時は冷蔵庫がまだなかった時代なのですね。糖分を著しく増やすと食品内の水分活性値が低くなることで食品の保存期間が長くなるということが証明されているそうです。腐敗を遅らせる方法に乾燥、冷凍なども挙げられますがこの腐敗原因である水分を糖分が減少させ、腐りにくく方法は家庭用冷蔵庫が1911年に施策的に製造され現在のような便利な冷蔵庫が出来るまで、昔の人の知恵と経験で受け継がれてきた方法がザッハトルテのような形で今も残っているのですね。そう解釈するとザッハトルテを含む昔からの和菓子や洋菓子がとても甘いということも納得できる気がします。
梅雨時期を快適に過ごすアイディアや知恵は身の回りに沢山あることに気が付いた梅雨明けの午後でした。
 
 

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